993.『独立独歩の町』
パラパラ地図の話題を書いていて、思い出したのが『独立独歩の町』のことです。
『独立独歩の町』とは、明治22年の市町村制施行時にすでに「町」となっていて、その後は近隣市町村と合併をせずに、いまだに「町」のままである自治体のことで、私が‘落書き帳’(※)に出入りしていた際の記事に詳しく記載してあります。(こちらの記事です。)
※‘落書き帳’とは、有名なHP『都道府県市区町村』のメニューの一つで、地理好きな人間が自由に発言していくコーナーです。私・稲生は、現在は幽霊会員となっておりますが、発言した記事は過去記事として残っております。
執筆時(2003.11月)は、平成の大合併の最中でしたが、まだ合併は始まっておらず『独立独歩の町』は、次の17町が存在していました。
宮城県登米郡登米町 秋田県由利郡矢島町 群馬県北群馬郡伊香保町 群馬県吾妻郡長野原町 群馬県新田郡薮塚本町
千葉県印旛郡酒々井町 岐阜県可児郡兼山町 静岡県庵原郡蒲原町 静岡県庵原郡由比町 静岡県浜名郡舞阪町
静岡県浜名郡新居町 兵庫県朝来郡生野町 熊本県八代郡宮原町 栃木県上都賀郡足尾町 群馬県多野郡新町
愛知県西春日井郡西枇杷島町 広島県佐伯郡宮島町 以上の17町です。
私の住む静岡県では4つの「町」が入っていて、いずれも東海道の宿場町として栄えていた「町」でした。
記事でも書きましたが、明治22年において、すでに「町」として存在するだけの町勢がありながら、100年以上もの長い間に、周囲との合併も実施せず、かと言って「市」に昇格するほどの発展も遂げられなかったという、言わば「町の中の町」とも言える誇らしき自治体たちであります。
パラパラ地図で一度確認してみて下さい。周辺の自治体が、どんどん合併していって大きくなっていくにもかかわらず、緑色のままでビクともしない誇り高き「町」であることが良くわかるかと思います。
話は、これで終わりとはなりません。平成の大合併によって、これら17の「町」がどうなったかを、次回で展開していきたいと思います。
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