1053.東男と京女・前編
今回のお題は『東男と京女』、ひらがなで書くと『あずまおとこときょうおんな』に関するお話しです。
粋な江戸の男としとやかな京都の女の間の相性はとても良いと言った意味のようですが、こちらのブログでは、それを解説するほどの見識は持ち合わせておりませんので悪しからず。
市名のお話しです。
東京都に東村山市・東大和市・東久留米市、埼玉県に東松山市があります。対して、京都府には京田辺市・京丹後市が存在しております。今回は、それらに関係する市名およびその周辺に関する話題を稲生流の解釈にて深掘りしてみようかと思います。
東村山市・・・S39(1964)4.1に北多摩郡東村山町が市制施行したもの。かっての村山郷の東のはずれの意味で、西隣に東大和市・武蔵村山市がある。
東大和市・・・S45(1970)10.1に北多摩郡大和町が市制施行したもの。一旦、大和市となり、即日、東大和市に改称している。先に市制施行していた神奈川県大和市(1959.2.1市制施行)との同名回避で東大和市とした。
東久留米市・・・S45(1970)10.1に北多摩郡久留米町が市制施行したもの。一旦、久留米市となり、即日、東久留米市に改称している。福岡県久留米市(1889.4.1市制施行)との同名回避で東久留米市とした。
東松山市・・・S29(1954)7.1に比企郡松山町ほか4村が合併し市制施行したもの。愛媛県松山市(1889.12.15市制施行)との同名回避で東松山市とした。
東村山市は、元々東村山町だったので除くとして、東大和市・東久留米市・東松山市は、同名回避対照市(大和市・久留米市・松山市)に対して東にあるので頭に‘東(ひがし)’を付けたと言われておりますが、私・稲生の解釈では、もう一つの視点として敢えて‘東’を付けたものと推察しております。(※2)
一般的に同名回避の方法として、旧国名を付けたり東西南北を付けたりしますので、これら3市は方位を示す‘東’を付けたとされておりますが、これら3市は旧令制国では武蔵国であり、いわゆる広義の東国であります。
ここで出てくるのが後述する‘京’を付けた市名との対比であります。‘東’は都から見れば東国のことを指しており、‘東(ひがし)’=‘東(あずま)’であります。坂東とも言われた関東地方の武蔵国あたりを指す言葉でもあります。
それゆえ、敢えて武蔵大和市・武蔵久留米市・武蔵松山市とはせずに‘東’を名乗ったのではないかと、私・稲生は解釈するに至りました。つまり、方位としての‘東’と東国としての‘東’の両方の意味を持つということです。(※2)
後編では、頭に‘京’を付けた2市ほかのお話しをしていきます。
※1.全国の同名回避市の詳細については こちら を参照してください。
※写真は、東大和市の大和郵便局。東久留米郵便局や東松山郵便局とは違って、改称せずに頑張っています。(H22.3.16訪問)
※2.もう一つの視点、つまり・・・以下の語句を追加。(5.4)
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