1284.実録・腎臓移植・part2
私が腎臓移植を受けてから、この11月で35年が経過することになります。
33歳までが自前のポンコツ腎臓でしたが、その後は実母の腎臓を使ってそれ以上の年月を過ごして来たことになります。満33年が経過した一昨年の11.15には、感慨深いものが人知れずこみあげてきたものです。
大正14年生まれの腎臓で、平成・令和の世を生き抜いてきたのです。まずは今年99歳となった実母に、丈夫な腎臓をいただいたことに感謝いたします。そして、未だに週5回でカーブスに通って健康に暮らしている実母には、もっと長生きをして欲しいものと切望しています。
ところで私の血液型はA型です。そしてドナーの実母はO型です。これは、確信を持って言えることですが、腎臓を貰ってからは私の性格が変わりました。元来のくよくよとした神経質な性格は無くなり、ある意味大雑把な性格になっているのです。これは腎臓移植によるものであることに間違いはありません。
ちょっと戻って、免疫抑制剤の服用について、お話ししてみます。
腎臓移植手術によって、私の体内に収まった母親の腎臓なのですが、人体には自分のものではない物を‘異物’として排除すべく攻撃する免疫作用があります。たとえ肉親の腎臓であっても自分のものではないので‘異物’です。一卵性の双子からの移植以外は、残念ながら‘異物’として免疫攻撃が実行されてしまうのです。
そのため免疫抑制剤を服用するのです。移植直後では、色んな種類の免疫抑制剤を服用して、貰った大切な腎臓を守ります。その後は、次第に少なくなっていくのですが、これは貰った腎臓が自分の身体の中で生着したということかと思います。植物の接ぎ木と同様なのかと考えています。
ですから移植直後は免疫抑制剤の副作用が色々と出てきました。まずはムーンフェイスです。顔が満月のように丸くなるのです。そして私の場合は、もち肌だった皮膚に吹き出物がたくさん出てきました。今はその吹き出物の痕跡で顔中ブツブツのブサメンとなっています。でも、これは、クオリティオブライフの代償であるので、まあ仕方のないことです。幸いにも既婚者ですので、顔はついていれば良しとしましょう。
あとは、免疫抑制剤を服用しているため、インフルエンザとか新型コロナなどに罹患すると、回復が遅くなります。ですから、他所様以上にかからないように気を使います。幸いにも新型コロナには未だ罹患したことがありませんが、インフルエンザには1度かかったことがあります。
娘が中学生の時ですから25年ぐらい前のことです。娘からの貰い物でした。娘は一日休んだだけで回復しましたが、私は1週間入院しました。点滴による治療で時間をかけて治していったのです。
このように、打たれ弱いということを実感しておりますが、その後25年は股関節治療以外は入院しておりませんので、普段は健常者並みに丈夫であると自らを誤解して過ごしております。
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