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映画・テレビ

2022年12月25日 (日)

1122.大河ドラマ『鎌倉殿の13人』から『どうする家康』へ

2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、12/18に最終回を迎えました。

今年の大河ドラマは、積極的に視聴しました。日曜日は鎌倉殿を観るために、食事の時間や入浴の時間など、それに沿った行動をとりました。それでも1年間は長いので、ナイターを観ていて、8時になったのを忘れてしまい、終わりごろだけを観た週もあったりしました。

稀代の喜劇作家と冠されている三谷幸喜の脚本がとても良かったです。

Photo_20221222211501 武家政権を確立した鎌倉時代を描いており、前半の主役・源頼朝、後半の主役・北条義時ともに、昨日の味方も明日の敵になり得るとの疑心暗鬼により、次々と粛清していくため、本来はおどろおどろしい話になるのですが、その中でも三谷大河では、癒しの時間やら癒しの配役がなされており、ほっこりとするシーンも散りばめられています。

ベースは『吾妻鏡』や『愚管抄』による史実なのですが、それらでは曖昧な事も多く、その辺を逆手にとって、架空の仕事人なども登場させて、話を面白くさせているようです。その上に、SNSの時代ならではの放映後の評判なども加味して、脚本を書き進めていったようでした。

さて、年が明けた2023年の大河ドラマは松本 潤主演の『どうする家康』です。

『鎌倉殿の13人』の最終回の冒頭で、早くも松潤がバトンを繋ぐ演出として『吾妻鏡』を読んでおり、サプライズ出演をしていました。

主演がアイドルですので、そのファンの方々も満足させることができる脚本をお願いしたいものですが、タイトルからして、喜劇テイストな香りがいたします。今年の三谷大河に続いて、視聴率を稼ぐことができそうです。

私・稲生の地元の浜松や静岡・岡崎の観光関係者は、『どうする家康』が好評を博することを祈念しております。私も、来年こそ大河ドラマにまつわる観光地を訪問してみようかと考えております。

※写真は、『鎌倉殿の13人』のうち、最後まで生き残った面々。

2022年9月26日 (月)

1096.映画『アキラとあきら』

表題の映画を観てきました。

池井戸 潤の同名作品の映画化なのですが、この作品には悪い人は出てこないと知人が勧めてくれたので、そうなのかと観ることにいたしました。

竹内涼真と横浜流星のダブル主演の物語で、小さな町工場の息子・山崎瑛と大手海運会社の御曹司・階堂彬の育ちが全く違うふたりが、メガバンク・産業中央銀行の同期入行となって、若きバンカーたちの半生を瑞々しく描く青春ストーリーです。

映画は、新人行員研修の模擬融資での対決シーンで、ふたりの見事な策が飛び交い、以後の語り草になるほどの高評価を得る。融資部長の講評では、なりふり構わず貸す金貸しになるな。相手を見て生きた金を貸すバンカーになれ。の名文句を貰い、とりわけ山崎瑛の心に響いていたのでした。

Photo_20220925142201 原作の方も、集英社文庫で上下巻になっており、取り急ぎ読み進めてみました。

幼少期のことは、映画よりも細かく描かれており、山崎瑛の方は、伊豆の河津町で営んでいた町工場を倒産させてしまい、母親の実家のある磐田に夜逃げしてくるという、厳しいところまで描かれておりました。

この中で、河津に置いてきた愛犬・チビが、1週間以上もかけてボロボロになって磐田の山崎一家までたどり着くということが書かれており、ホンマかいなと呆れてしまったのですが、どうも犬には特殊能力があるようで、大変驚きました。

山崎家の経済事情で大学進学を断念する覚悟をしていた瑛に対して、磐田銀行の若き融資係・工藤が、瑛の大学進学に対して間接的な手助けをするシーンがあり、この物語のとても大事な転換点でありました。それが無ければ、東大にも進学せず、トップバンクへの就職もなく、生きた金を貸すバンカーにもならなかったのですから。

階堂彬の方も、階堂家が順風満帆という訳でなく、階堂家をリードしてきた父親が60代の若さで亡くなり、色々な魂胆から弟が若くして社長となるも、東海郵船グループの舵取りができることもなく、跡取りを放棄してきた兄の彬にお鉢が回ってきて、東海郵船グループ存亡の危機を山崎瑛とともに立ち向かうというもの。

2時間程度の映画にまとめるにあたって、少年期の頃やバンカーとして数々の困難に立ち向かうシーンは省略されており、原作を読んだものからすると物足りない面もあるのですが、逆に少年期の瑛と彬の偶然の出会いのシーンや最終稟議の了承の仕方など、原作と違った脚色もされており、映像的にも良くできておりました。

原作に忠実であるばかりが良い映画ではない訳で、そんなところも見ていくと楽しいかと思います。

 

2022年8月 9日 (火)

1082.吉田拓郎から武田鉄矢へ

先日の吉田拓郎・引退ネタ(NO.1078)を執筆する直前から、それ以降は吉田拓郎の歌やトークなど、かなり聴き込んでしまっております。

そのネタ元は、ユーチューブです。

吉田拓郎のベストアルバムなどの曲集から、若い頃のつま恋・篠島ライブ、パックインミュージック・セイヤング・オールナイトニッポンなどのラジオ番組や、徹子の部屋への出演などなど、全てユーチューブで再現してくれているのです。

たくろうには、やはりカリスマ性があります。

Photo_20220808093301 ビートルズがその後の多くのアーティストに大きな影響を与えたように、よしだたくろうは長渕剛・桑田佳祐・高橋ジョージ・藤巻亮太・あいみょんなどなど多くのミュージシャンに影響を与えております。

その一人に武田鉄矢がおります。彼は坂本龍馬に憧れて高知大学を2度受験したり、グループ名に海援隊を使ったりしたように、吉田拓郎に憧れて彼の脚本・監督・主演映画である『刑事物語』の主題歌を吉田拓郎に依頼しており、なぜか広島弁で歌う「唇をかみしめて」は、哀愁をともなった名曲であります。

ここからは武田鉄矢についてのお話しとなります。

武田鉄矢は、海援隊当時の大ヒット曲「母に捧げるバラード」で一躍有名になって以来ファンになりました。楽器が使えないのは玉に瑕ですが、そのトーク力には魅了されます。

彼の面白おかしいトーク力でタレントとして勝負すればよいものを、トリオの海援隊として音楽で勝負しようと東京に進出したものの、当初は鳴かず飛ばずで、このままなら挫折して故郷福岡に帰るしかないところを、山田洋次監督に見出されて映画『幸せの黄色いハンカチ』に出演したことで、俳優としての能力を発揮していったのでした。

その後は、TBSテレビの金八先生以降の活躍ぶりで、茶の間に広く浸透した俳優・タレントになっていきました。フォークグループ海援隊の方も、その主題歌のヒットなどで息を吹き返し、解散後は武田鉄矢単独でも、細く長くスマッシュヒットを放ち、息の長い俳優・タレントになっていったのです。

振り返ってみると、ずぶの素人である武田鉄矢を起用していった山田洋次監督が、武田鉄矢の俳優人生の恩人であったといえることでしょう。

2022年6月24日 (金)

1070.大河ドラマ『鎌倉殿の13人』

先日の北関東・福島遠征時に、愛車HVフィットの走行㌔が20万㌔を突破した事柄について、もう少し深掘りしてみようかと思っておりましたが、これについては、もう少々お時間を頂戴させてください。

執筆にあたって、郵便局めぐりとの関連性を調べるために、HVフィットを乗り始めてから20万㌔突破の日までに、『稲生の郵便局めぐり』を、マイカー・徒歩・レンタサイクル・レンタカーの4区分にて、どの手段で訪問したのかを調べることにしたのです。

これが結構手間のかかる作業で、着手はしたものの本格的に進めるのは、長崎対馬遠征から戻って、その後処理も終わってから、ということにいたしました。従って、そのご報告は後程ということで、ご了解いただきたいと思います。

ですので今回のお題は、私・稲生が毎週夢中になって見ている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に変更いたします。

鎌倉幕府の成立の史実は、多少は知っているものの、どのように武家政権が樹立されたのか?源頼朝がどのような人物なのか?そして、このドラマの主人公である北条義時は何者なのか?等々、知らないことが多く、ドラマを通して判っていく事柄が多くありました。

13 『鎌倉殿の13人』が始まって、半分が過ぎようとしていますが、ここまでの主役は、大泉洋演ずる源頼朝です。小栗旬演ずる北条義時は、脇役に過ぎませんが、彼は武家政治の統治の仕方を、源頼朝をお手本に学習している最中といったところでしょうか?

ただし、源頼朝の生きざまを調べていくと、斬殺の繰り返しであることが良くわかります。裏切りもあったことでしょうが、ボタンの掛け違いによる軋轢などで、信じ切れずに抹殺していくということの繰り返しなのです。

頼朝の兄弟は、異母兄弟を含んで9人の男子がいたとされていますが、頼朝の死までに1人を除いて皆死亡しています。義経・範頼は、頼朝が殺したも同然でした。残っていた1人・阿野全成も頼朝の死後、頼朝の嫡男・源頼家により誅殺されています。

役者小栗旬は、「みんな大泉が悪い」とのメッセージ・マスクを着用して、ドラマに臨んだとのことですが、独裁者の元に仕えるものとしては、この黒歴史を学習するしかなかったのが、この時代の武士というものであったのでしょうか?

ここまで書いていくと、壮絶なる黒いドラマとなりそうですが、さすがに稀代の喜劇作家・三谷幸喜の脚本です。暗くなるところを補って余りある演出を随所に示しております。時々クスリと笑えるのです。

これがあるために、暗い教科書を渋々読み進めていくのとは、また一味違った色あいが出ているのです。読後感ならぬ放映後の観賞感では、じわじわとそれらの場面が湧き出してきます。そして次週もまた見逃すことなく、楽しみに時を待つのです。

これが「ハマる」ということでしょうか?毎週日曜の夜8時が、待ち遠しくなるのです。

大泉頼朝の死後は、小栗義時の本領発揮となるのでしょうか?史実では、これまで以上のサバイバルゲームとなっているようです。これは、むごい話なのですが、楽しみなのかもしれません。

2022年6月 4日 (土)

1065.映画『大河への道』

日本初の実測地図を作った伊能忠敬を題材にした映画『大河への道』を鑑賞してきました。私のHNの由来にもなっている伊能忠敬殿の映画ですので、映画の公開前から気になっていましたが、去る6/1にようやく観ることができました。

Photo_20220603221001 この映画は、落語家の立川志の輔の新作落語を原作として、これに興味を抱いた俳優・中井貴一が企画(プロデュース)したもので、主演も務めております。

現代パートと江戸時代パートの組み合わせにより成り立っており、ほとんどの演者は両方に役を得ており、一人二役となっています。(ただし、北川景子はインチキ祈祷師も演じており三役である)

現代パートでは、町おこしのために大河ドラマを誘致すべく奮闘する市役所の物語をコメディ風に描き、江戸時代パートでは、地図作りの苦労の様子をシリアスに描いており対照的です。でも、それが上手く融合しており、この塩梅は絶妙であります。

そして驚くべきは、本来の主役となるべき伊能忠敬には配役が付いていないのです。冒頭の死去のシーンでは顔が布で隠されており、測量の旅に出掛けるシーンでは、影武者を使っており、これを名もなき役者が務めているというのです。

こんな変わったタッチの映画は初めてであります。

個人的には、伊能忠敬の大河ドラマは、実現して欲しいものです。飛行機もドローンもない時代に、天文学や測量学などを駆使して、実測により日本全土を歩き尽くし、実に正確な日本地図を作り出した偉人の物語は、山あり谷ありの物語です。

伊能忠敬の生い立ちから、佐原の名主としての功績、50歳で隠居したのち、江戸に出て天文学などを学び、10回に亘る測量の旅での計測手段、その労苦など、大河ドラマとしての強みとして一年をとおしての物語にすることで、日本中の人々に広く知らしめることになることでしょう。

ということで、香取市の伊能忠敬記念館には、機会あらば訪問してみたいものです。

2022年1月12日 (水)

1024.大河ドラマ『青天を衝け』

第6波がやってきましたね。昨年1月と同様な状況じゃないですか。これじゃあ、2月上旬の大分遠征は止めた方がよさそうな雰囲気になってきましたね。うーん、結論はもう少し粘ってみてからにしてみます。

ということで、今回のお題は昨年暮れに終了した大河ドラマ『青天を衝け』についてです。すでに今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』がスタートしていて、初回では色々な人物の紹介がされており、はるか昔の話の割には現代風にアレンジされていて、面白そうな演出になっていて、これなら毎回続けて見ても損はないドラマになりそうです。

いかんいかん、澁澤榮一翁のドラマに戻ることにしましょう。

主人公の渋沢栄一は、2024年から変更される一万円札の顔となる人物です。ですので、これからもお世話になりたい有難い人物であります。

渋沢栄一の生きた生涯は、江戸時代末期から昭和のはじめまでの91年間に亘ります。幕末から明治・大正・昭和初期までであり、みんなの好きな幕末や明治初期の動乱の時代が含まれており、人気も出やすい時代背景でありました。

Photo_20220110083801 そのうえ「今晩は、徳川家康です」などと、常人では到底考えにくい徳川時代の開祖・家康様を起用して、その放映回の時代背景を解説すると言うユニークな演出から始まっており、つかみは抜群でありました。

農家の長男に生まれ、養蚕の経営と繭玉の製造販売では、商業的な知識が求められ、のちの欧州視察時に近代的な経済システムなどの諸制度を吸収する素地があったようです。

封建制度化の領主への奉納制度に反発を覚え、尊王攘夷の思想に目覚め、幕末に散る可能性もあったところを、たまたま知り合った一橋家家臣平岡円四郎の推挙により、のちの徳川慶喜に仕えることになり武士の身分を得て、彼の将来が変わっていったのです。

その後のヨーロッパ随行時に大政奉還を迎え、日本にいなかったことも渋沢に良い方向に向かわせたような気がします。

明治政府内の民部省での改正掛長として、国立銀行制定等にかかわったあとは官を去り、実業家として日本最初の銀行・第一国立銀行を創業し、その他にも多くの地方銀行の設立に関わったり、製紙会社・ガス会社・印刷業・保険会社・鉄道・海運・紡績・セメント等々、枚挙にいとまがないほどの事業の設立・運営に携わることになり、まさに「日本資本主義の父」と呼ばれるにふさわしい人物でした。

『青天を衝け』は、渋沢栄一翁の一代伝記物語でしたが、明治期の近代産業化への超特急な変容ぶりを、彼の行動を通じて見せてくれました。渋沢栄一翁は、時代を切り開いてくれた偉人でありました。

今後、発行される新一万円札紙幣を手にする度に、彼の功績を思い起こす必要があるかもしれません。(いや、そんなことはないか)

2021年11月11日 (木)

1006.映画『老後の資金がありません!』

題名に心当たりがあり、表題の映画を観に行ってきました。

映画館で映画を観るのは久しぶりです。恐らく2年ぶりかな?コロナ禍ですので、映画館での観賞はどうしても敬遠されるものです。

今回は、TBSを中心とする番宣が凄かったのと、我が家にとっても切実なテーマであったので、コロナが落ち着いている今がチャンスとばかりに、妻の御供として鑑賞してきました。

Photo_20211108160701 親の見栄っ張りなほどの葬式、子供の派手婚、夫の失業、セレブ姑との同居、そして姑の生前葬・・・

もう悲劇を通り越した喜劇でありました!

主役の天海祐希の主婦役は、予想した以上にハマっていました。夫役の松重豊は、頼りない役でもなんでもこなせる予想通りの実力ぶりでした。

そして、物語を引っ掻き回す姑役の草笛光子にいたっては、この映画の肝となる人物として、ド派手な服を着こなしたり、時には男に成りすましたり、極めつけは歌って踊るシーンなど、さすがの好演でありました。

ネタバレとなりますが、最後にはマイホームを売却してローンを完済し、夫婦はシェアハウスに入居して暮らすことになり、物語としてはハッピーエンドで終わるのですが、我が家の場合と照らし合わせると、あまり現実的ではない終わり方でした。

まあ、老後の資金がないところは共通しているテーマでしたが、所詮はハッピーエンドを求める映画ならではの終わり方でした。という訳で、我が家の「老後の資金」は依然として「ありませーん!」

2021年3月 2日 (火)

931.映画『二十二才の別れ』

続いて観たのが、映画『二十二才の別れ』です。副題は「Lycoris 葉見ず花見ず物語」

大林宣彦監督による大分三部作の第二弾として、伊勢正三作詞・作曲による「二十二才の別れ」の大ヒット曲を映画化したものです。2002年の映画『なごり雪』の公開から5年後、曲のヒットした1975年からは実に32年後の劇場公開でありました。

Photo_20210301115901 主役に浜松市出身の筧利夫が務め、劇中のナレーションも行っております。ヒロインは中村美鈴・鈴木聖菜と無名の女優(ほぼ新人)ながら、好演しておりました。脇を清水美砂・長門裕之・峰岸徹・村田雄浩らが固めていました。三浦友和も出てましたし、お笑い芸人・ヒロシも比較的に尺も長く出演しておりました。

主人公の川野俊郎は、福岡に住むエリート独身サラリーマン。出世のため、上海行きを承諾するかどうか迷っていた頃、コンビニで「二十二才の別れ」をくちずさんでいた少女・花鈴と出会う。その少女こそ、かって二十二才の誕生日に別れた彼女の実の娘であった。(映画の世界ならではの偶然性)

故郷の津久見と進学先の東京で同郷の葉子とぎこちない付き合いをしていて、葉子は殺伐たる東京に見切りをつけ、故郷に帰り結婚して生まれたのが花鈴であった。葉子は花鈴を生んですぐに死んでしまう。(ここで、この映画のモチーフである「葉見ず花見ずの物語」が成立)

家を飛び出してきた花鈴にも、同郷の同級生・浩之がいて、彼らも二十二年前の俊郎と葉子と同様に人生に行き詰っていた。そして、自殺しようとアパートを飛び出した浩之を、花鈴に追いかけろと告げる俊郎。二十二年前に葉子を追いかけなくて後悔していたのは俊郎自身であったのだ。

最後は、ハッピーエンドとなるのでご安心ください。

劇中はずっと正やんの歌う二十二歳の別れの曲が流れ、後半には津久見・臼杵あたりのプロモーション紹介のようになっておりました。

この映画は、二年ほど前と今回の二度にわたり鑑賞したのですが、大分遠征に帰って来てからの方が、内容の理解度が良かったです。

さて、大分三部作の第三弾は存在しません。大林監督は昨年82歳で没してますので、永遠に「なごり雪」「二十二才の別れ」の二作品のみであります。

ですが、ファンの中では伊勢正三の楽曲の中から、どれが第三作目に相応しいか憶測が進んでいました。候補作としては「置手紙」「君と歩いた青春」「海岸通」などでした。

2021年2月27日 (土)

930.映画『なごり雪』

♪鳥が鳴いて 川が流れて、野山は今 花が咲き乱れ、汽車は行くよ 煙はいて、トンネル越えれば 竹中だ♪

これは、南こうせつの作詞・作曲による「ひとりきり」の冒頭の一節ですが、最後の竹中が南こうせつの生まれ育った故郷の地名だったことは、知りませんでした。

確かに豊肥本線竹中駅は、トンネルを越えた先にありました。そして竹中地区は、大分市郊外にありながら住宅化の波にも外れて、南こうせつの育った当時のままのような、静かな農村でありました。

Photo_20210226125901 さて、本題に入ります。

伊勢正三の作詞・作曲による「なごり雪」は、イルカによるカバーバージョンがスマッシュヒットを呼び、早春の恋歌として広く知られるようになりました。1976年頃といえば、私が大学生だったころです。

それから20数年を経た2002.4月に、その楽曲を基にした映画『なごり雪』が三浦友和主演により放映されました。副題は「或いは五十歳の悲歌」

大林宣彦監督による大分三部作の第一弾として、伊勢正三の故郷・津久見近くの臼杵市を中心としてロケが行われたようです。

三浦友和演じる梶村祐作は、かっての親友・水田(演:ベンガル)の妻が交通事故で瀕死の重体となっているとの連絡を受け、故郷臼杵に向かう。水田の妻となった雪子(演:須藤温子)は、高校時代に祐作を一途に想い続けていた。それを受け止めきれずに東京に進学した祐作とは、紆余曲折を経て、雪子の片思いは叶わなかったのだった。

簡単なあらすじとしては、そんなところです。劇中では、‘なごり雪’の歌詞がセリフとして取り入れられており、これは斬新ではありましたが、ちょっと強引すぎた気がしました。

私は、今回の大分遠征から帰ってきてからユーチューブにて観賞しましたが、大分遠征の前に観ておかなかったのを、多少なりとも後悔したのでした。

津久見駅には、‘なごり雪’の歌碑があったようで、また宇目局近くの重岡駅が仮想・臼杵駅として、劇中何度も撮影されていたのです。それらのロケ地だけでも訪問しておかなかったことは残念でした。

しかしながら、まだ臼杵市街地は未訪として温存してあり、ロケ地訪問の楽しみは残っています。

追記:デビュー間もない長澤まさみ(磐田市出身)が、水田・雪子の一人娘役で出演していました。

2021年2月12日 (金)

925.大河ドラマ『麒麟がくる』

去る2/7(日)をもって、NHKの2020年・大河ドラマ『麒麟がくる』が終了しました。コロナ禍の影響を受けて途中の約2ケ月間の休止もあり、年跨ぎのロングランとなりました。

戦国時代最大の番狂わせである本能寺の変を実行した首謀者として、一般的には悪者として認知されている明智光秀を主人公とするドラマでしたので、戦国の歴史を大まかにたどっていく過程においては、信長・秀吉・家康の周辺人物に過ぎない亜流の人物でありますが、このドラマを最初から熱心に観た後の感想としては、主君・織田信長を討つに至った必然を、光秀側からわかりやすく描いた好作品でありました。

Photo_20210210095301 タイトルの『麒麟がくる』からして、戦国の平定を成し遂げるべく奔走した人物を描いていく過程の物語であり、光秀にとっての麒麟は信長とばかりに主君に仕え、信長にしても光秀を重用し、天下統一を目指していたのですが、主君信長の急進的な行動・言動に数々の疑念を抱いた末の謀反であったのでした。

クライマックスの本能寺の変の描かれ方では、光秀は軍の先頭にたたず、事を見守っているだけで、淡々としたものでありました。そしてその後の敗戦に至る所は、ナレーションのみ(いわゆるナレ死)でありました。このあたりは、我々古手の視聴者には物足りなく感じたところでありました。三日天下に終わったところも、掘り下げてもらいたかったとも思いました。

ともかく、少し前の大河ドラマ『軍師勘兵衛』や『真田丸』などと同様で、別角度からの戦国時代を見させていただきました。

続いての大河ドラマは『青天を衝け』というタイトルで、日本の近代資本主義の父・渋沢栄一が描かれることになります。戦国時代に次いで人気の幕末から明治のお話しであります。

『麒麟がくる』の余韻に浸る間もなく、2/14からスタートしますので、これも毎回楽しみに観賞していくことにしたいと思います。

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