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書籍・雑誌

2026年7月 7日 (火)

1467.映画『阿寒に果つ』&小説『阿寒に果つ』

ライター稲生は、道東大遠征を実施中ですので、一つ繋ぎの記事をお届けいたします。

『失楽園』で有名な渡辺淳一の私小説的な側面を持った小説が表題の『阿寒に果つ』です。ちょうど今回廻る予定の局の一つに阿寒湖郵便局がありますが、この本を読むきっかけは、この小説を映画化した同名映画に五十嵐じゅんが主演で出ていたことによります。

Photo_20260703163602 五十嵐じゅんは、後に五十嵐淳子と改名し、俳優の中村雅俊に出会い結婚し1男3女を育てあげた良妻賢母なお方ですが、今年4月に73歳にて逝去されました。

18歳でデビューし清純派アイドルとして人気を博しますが、デビュー前に1週間ほど銀座の高級クラブでホステスとして働いていたことをスクープされると、徐々に人気が衰え、一旦引退をしてしまい、2年ほど経過したのちに、この映画『阿寒に果つ』で再スタートをした方です。

当初、この映画は山口百恵の主演に決まっていたのですが、裸体シーンなどの問題点があり、主演女優を決め直すことになり、渡辺淳一に映画化の際には私をヒロインにして欲しいとのファンレターを送っていた五十嵐じゅんに決定したとのこと。五十嵐じゅんは、一旦引退をしていた際に、本を読み漁っていたようですが、物凄い意気込みですね。

私・稲生は惜しいことにこの映画を観ていませんが、興行的には今ひとつだったようで、DVD化はされておらず、アマゾンでVHSテープで16万円で売ってはいるのですが、さすがに購入できるはずはなく、やむなく原作である小説『阿寒に果つ』を図書館で借りて、読んでみたのでした。

改めて渡辺淳一の小説『阿寒に果つ』は、高校の同級生・天才少女画家・時任純子が十八歳の若さで厳冬の阿寒湖で自殺したのですが、その20年後に関係の深かった同級生の作者や画家や新聞記者や医者や党の活動家や純子の姉に取材を進めていき、時任純子の生きた証を確認していった物語です。

この小説は、渡辺淳一の自伝的小説とされているように、加清純子という実在の人物がいた実話でした。この加清純子のWikiは、実に詳細に説明されていますので、下手に私が文にするよりも、Wikiをご覧いただければ、よろしいかと思います。

感想としては、高校生らしくない自由奔放な早熟の女性が、生き急ぎ死に急いでしまった物語でした。

2026年6月25日 (木)

1464.小説『私は忘れない』

表題の小説『私は忘れない』についてですが、事前の予習をしている時に、有吉佐和子が黒島を舞台にした朝日新聞の連載小説を書いていたのを知りました。

地元の浜松浜北の街の大きな書店のいくつかを廻るも、その作品はなく絶版となっており、その後、浜北の図書館に在庫があり、この文庫版を借りて旅行中に読むことにしました。

Photo_20260622190001 有吉佐和子といえば、『恍惚の人』『複合汚染』などで知られる社会派小説家です。彼女の出自に関わる『紀ノ川』『華岡青洲の妻』でも知られています。53歳で病没しており、せめて後20年くらい存命ならば、どれだけ素晴らしいさらなる作品を世に出していたことか、早死にを惜しむばかりです。

本作は、そんな彼女の20代の作品でしたが、連載された昭和34年は今から60余年も前のことで、日本の世の中では高度経済成長のもと、冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビが三種の神器と呼ばれていた時代でしたが、舞台である黒島では、電気は日没後から3時間ほどだけつき、電話はまだなく、四日に一度やってくる鹿児島からの連絡船は、海が荒れれば欠航となり、欠航が続けばコメなどの生活物資はたちまち不足してしまうという、厳しい環境の島でした。

そんな中を小中学校の教員たちが、辺地教育の向上を目指して孤軍奮闘をしていく物語ですが、片泊集落と大里集落の伝統的な対立関係があり、私は本を読み始めた際に、例の黒島問題を頭に抱えていたこともあり、途中までで読み進めなくなってしまいました。

なんとか読了したのが黒島訪問を前に宿泊した硫黄島の夜で、この時には岐阜のK氏の出現により黒島問題は解決しており、心が晴れ晴れとしていたために、読み終えることができました。この物語は私がまだ幼児の頃の話で、黒島においても現世の話ではないことが理解できたからです。

有吉佐和子が鹿児島には縁もゆかりもない作家ですが、何ゆえに大隅諸島の小さな島・黒島を注目したのか?この辺のことも定かではありません。

物語の最初の方に、主人公がモデルとして撮影している休憩時に『忘れられた島』として、三島村の写真を目にしたことによって、後日休暇をとって訪問したなどど書かれてはいるのですが、この『忘れられた島』の写真集のアンサーとして『私は忘れない』という小説名にしたのかもしれません。

今度は『恍惚の人』を読んでみようかと思います。

2024年5月10日 (金)

1258.『博多っ子純情』

最近、青年漫画『博多っ子純情』を読み終えました。おおよそ40年ぶりです。

作者は博多出身の長谷川法世で、漫画アクションという青年漫画誌に1976(昭和51)年から1983(昭和58)年まで連載されていて、全34巻となる単行本が発行されていました。

どうして急に読むようになったのかと言うと、本棚を整理していて、若かりし頃の小説本例えば、石川達三・吉川英治・庄司薫・新田次郎などの単行本をどんどん捨てて行った際に、『博多っ子純情』の単行本が出て来て、これだけは捨てられずに、もう一度1巻から読みなおしてみたというわけです。

Photo_20240509144701 主人公は郷六平で、博多人形師の一人息子。名字の郷は、福岡出身の郷ひろみに因み、六平は知人の名前からとったようです。幼馴染で恋の相手の名前は小柳類子で、同じく福岡出身の小柳ルミ子から取ったということです。

郷六平が中学2年のころから高校に入学後、浪人をして大学に入り、中退して人形師の卵となるまでのおおよそ9年ぐらいの青春の真っ只中を、面白おかしく時には真面目に描いた作品でした。

毎回、副題がついており、そのほとんどが博多弁(もしくは福岡弁)でした。漫画ですから字面(じずら)を読むだけでアクセントなど全くわかりませんが、第一回のタイトル‘しぇからしか’など、いろいろと博多弁を目にしたものです。

ちょうど先月、博多市内をレンタサイクルで廻っており、局メグの最後に博多山笠の聖地・櫛田神社に飾り山や櫛田のぎなん・博多べい見学などで参拝してきました。

実はラス前となる第33巻が欠けており、これだけはkinndle本(電子書籍)を購入して読んでみました。全34巻が続きものとなっているため、ここを飛ばすと理解が足りなくなってしまい、やむ終えずそのようにしました。

一通り読み終わって満足したので、あとは捨てるだけなのですが、娘がメルカリに出品してみるということで、ラス前が欠けた漫画本をいくらで売れるのか判りませんが、手続きをすることになりました。

2013年10月24日 (木)

204.『オレバブ』と『花バブ』

今回のタイトルを見て、すぐに判った方は‘通な人’です。

この夏、爆発的な人気を博したドラマ『半沢直樹』の原作本、池井戸 潤氏の『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』のことです。

ドラマの方は、約1ケ月前に終了したのですが、その直後から少しずつ読みはじめていて、先週ようやく2冊とも読み終えました。

Photo_20201229145001 元来、文字を追うだけの読書は好まない方ですが、ドラマを熱心に見た後ですから、ドラマの上の役者のイメージが本の中に入り込んできて、ある意味読みやすかったようにも感じました。

原作では、半沢の父親は自殺してません。実家のネジ工場への融資を止めたのは大和田ではありません。壇蜜演ずる藤沢未樹は、ドラマほどのキーパーソンにはなっていません。大和田常務もドラマほど随所に登場してません。

しかし、ドラマの脚本家が設定を変更したりした元は、全て原作の中にあるように思います。

そして、40%超えの視聴率を勝ち取った要素としては、やはり原作に散りばめられた各々の人物・設定を、上手に昇華した脚本家の腕と役者の方々が魅力的に演じたことによるものと改めて感じました。

これだけの支持を得たドラマですから、続編は必ずあることでしょう。次のシリーズのドラマも大いに期待したいと思います。

2013年1月30日 (水)

147.『百円貯金で殺人を』・・・西村京太郎

著名な推理作家・西村京太郎氏の近作に、標題の『百円貯金で殺人を』というタイトルの作品があります。

この作品は祥伝社ノン・ノベル『十津川直子の事件簿』に収録されている4作品の一つで、裏表紙にその概要が記されていて、1番目に収録されているほどのメイン作品の扱いです。

それで、何を言いたいのかというと、その本に記載されている“百円貯金”の方法が、いささか変わっている、というよりも、あり得ない方法で書かれているのです。

裏表紙の作品概要によると、「全国の郵便局をめぐり百円の預金通帳を作る“局メグ”が趣味の・・・」とされていて、私の知っている局メグとは、いささか異なっているばかりか、1人1通帳が原則の為に、通常預金の通帳を各局で作成することは、絶対に出来ません!

作品のタイトルにするほどのことならば、もう少し事実を取材されてから、書かれてはいかがでしょうか。このあたりのことは、ウィキペディアあたりでも、たやすく調べ上げることができる事柄ですし、何より郵便局に1度でも取材に行けば、すぐに不可能であることが判ります。

ということで、さっそく異議申し立ての文を書評という形で、祥伝社のHPより送信しておきました。

『十津川直子の事件簿』

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396208967 (リンク切れ)

話変わりますが、この作品については、ミクシイ上のマイミクさんから教えていただきました。もちろん、その方も異議を唱えております。

それで、このマイミクさんがこの正月に局メグに関する本を自費出版されましたので、ここで紹介させていただきます。

タイトル:『郵便局に行こう』

http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-13211-2.jsp (リンク切れ)

よろしかったら、ご購入の上、一読してください。